『ツバキ文具店』の優しい世界
小川糸著『ツバキ文具店』が文庫化されたので、手に取ってみた。
読み進めると、ささくれ立っていた気持ちがほっこり温まってくるような、切なくも優しい世界が広がっていた。そこに悪い人はいない。お互いを思いやりながらもすれ違ってしまい、後戻りできないところまで来てしまった人々が、今手に届く大事なものを大切に守っていく物語があった。
いつのまにか、ここ半年の間気になっていた喉の支えが軽くなっている気がする。自分にとって、何よりの薬になった気がしている。続編は既に刊行されているが、すぐにでも読みたいような、もっと大事なときにとっておきたいような、複雑な気持ちだ。
恋文みたいになってしまったので、ここでやめておこう。
かしこ。
って女性が使う言葉だけど、先代に捧げるために、あえて書いてみた。